4−1−4 神川断層付近の地史

矢場A地区に主眼をおいて、全体の断面図及び電気探査の比抵抗断面図を示し(図4−1−9図4−1−10)、地史のモデルを作成した(図4−1−11)。簡潔に以下に示す。

@新第三紀層のシルト岩・泥岩・凝灰岩などが堆積する。

A新第三紀層を削り込みながら、はじめに、砂礫を中心とした粗粒な堆積が起こった。このときすでに断層は活動していて、北側部分が相対的に上昇していたと推定される。

B粗粒物主体の堆積環境から、細粒層を主体とする堆積環境に変化する。堆積物は砂礫主体から、腐植質に富む堆積物が認められるようになる。

C細粒な堆積物として,AT・BPテフラ層等、降下テフラの堆積が起こる。

Dイベントが起こり、地層が変形する。その結果、図4−1−11のようにATテフラ層及びBPテフラ層の変形が起こり、地層がたわむ。イベントの時期は、As−BPテフラ層の堆積中から堆積後と考えられる。

Eイベント終了後、断層によって生じた相対的な低地部に、細粒層を主体とする堆積物が堆積する。

F細粒な堆積物が、相対的な低地に堆積した後、北側の変形部分(一部)を、粗粒層が削剥した。