1 調査概要

平井・櫛引断層が活断層として報告されたのは松田時彦(1971)が最初である。

この報告以降、東京都防災会議(1974,75,77)、松田博幸ほか(1977)、多田(1983)、YAMAZAKI(1984)、杉原(1989)の報告がある。

平井・櫛引断層帯は、これまでの研究で、活断層の最終活動時期、活動周期に触れられたものはほとんどなく、断層露頭の報告についても杉原による報告がされているのみである。

今回調査の対象となった関東平野北西縁断層帯に属する平井・神川の2つの断層は、関東山地北東縁、群馬県南西部の前橋市、高崎市、藤岡市などの都市近傍に位置している。両断層とも北西から南東の方向性を持ち、北東側隆起の縦ずれ、横ずれ成分を持っているとされている。

また、平井・櫛引断層の活動度は、BないしC級とされている。活動度BないしC級は、その変位速度が、日本の山地の平均的な浸食速度とほぼ同じか、それより低く、変位地形が地形の浸食によって保存されにくい、つまり、残りにくく、活断層調査は難しいと言われている。

本報告書は、このような活動性の低い活断層について2カ年の調査から得られた成果をまとめたものである。

以下に調査概要の詳細を示す。

(1) 事業名

群馬県活断層調査委託

(2) 調査対象断層

関東平野北西縁断層帯(平井断層・神川断層)

(3) 調査期間

自 平成9年5月25日

至 平成10年3月25日

(4) 発注者

群馬県総務部消防防災課

(5) 受注者

中央開発株式会社 東京支社

 埼玉県川口市西青木3−4−2

 TEL 048−250−1413

 FAX 048−250−1410

(6) 担当技術者

主任技術者:緒方信一(技術士;応用理学)

担当技術者:神崎 裕(地質技術者)

細矢卓志(地質技術者)

技術指導:宮島圭司(理学博士、技術士;応用理学)