(1)層序学的特徴

テフラの分布は場所により大きな隔たりがある。最も保存状態の良い地点はBk−3,4,5,6,7、OBk−6で、いずれも矢場地区である。本調査地域で見られるテフラのほとんどが分布し、本調査地域のテフラ模式地といえる。一方、Bk−1,2、Bh−1,2,3,4,5,6,7,9、OBk−1,2,3,4,5、OBh−1から13にはほとんどテフラが分布しないか、分布していても非常にわずかである。                         

矢場地区で見られるテフラはいずれも水成で主に表土直下0.5−3.0mに分布する軽石層、3−5mに分布する軽石層、3−5mに分布する軽石層直下に分布するガラス質火山灰層からなる。

まず、表土直下に分布する軽石層は、層厚が0.02−0.14mと非常に薄く、黄白色でやや発泡し軽石の直径は5mm前後,最大で10−20mmである。発泡度、大きさとも他のテフラと異なる。

深度3−5mに分布する軽石層は、層厚が0.11−2.53mと非常に厚く、黄白色で発泡が悪い。直径は2−5mm程度である。複数のユニットからなり、ほとんどの地点で有機質粘土を伴う。厚いテフラ層の中でも最下部の5−20cmに特に軽石の密集した層を挟在する。

ガラス質火山灰層は、層厚0.04−0.06cm。高純度のガラス密集層で広域テフラの様相を呈する。直上には発泡の悪い有機質粘土混りの厚いテフラ層が分布し、直上のテフラと必ずセットで認められる。