2−6 オーガーボーリング調査

目的

地表踏査によって得られたデータ以外に、直接対比を行って、よりトレンチに適した場所を選定するために、ボーリング調査を行った。一方、トレンチ調査において、断層の履歴を知るためには、より新しい堆積物によって被覆されているほどよい。そのため、ボーリング調査だけでなく、より簡便な方法でトレンチ候補地点における被覆層の情報を得ることのできるオーガーボーリング調査を行った。

方法

オーガーボーリングは、オーガーの刃先を給水しないで回転させながら地盤に貫入させ、掘進あるいは試料を採取するものである。地盤調査用には人力により回転させるハンドオーガーとエンジンなどの動力により回転させるマシンオーガーがあり、標準貫入試験や電気検層など原位置試験用ボーリング孔や水井観測井等の削孔に使用される。一般的には、軟質の粘性土地盤及び地下水のない砂質土地盤に対して適用され、ハンドオーガーは深さ5m程度までの地表面近くの土質分類や土の含水比、地下水位などを調査するために用いられることが多い。代表的なハンドオーガーの例を図2−6−1に示す。

オーガーボーリングにより採取される試料は乱されてはいるものの連続試料を得られる特徴がある。しかし、人力に頼る作業であることや、非常に硬い土などには適応できないこと等、作業の能率や調査深さ、適応できる地盤の種類などに限界がある。今回の調査では、ハンドスクリューオーガーを用いた。

図2−6−1代表的なハンドオーガー