(5)Ek−5測線

(矢場1’地区  図2−4−9参照)

見掛け比抵抗は、概ね50Ω・m以下と低いが、測線南側(始点側)の田地では地表よりGL−15 m付近までが60〜100 Ω・m程度と相対的にやや高くなる。

比抵抗断面から次のことが言える。

・地層の比抵抗は、見掛け比抵抗とほぼ同様の傾向を示す。

・100 Ω・m以上の高比抵抗部が測線南側の田地表層部に層厚10〜15m程度で分布し、南側ほどその層厚を増す傾向にある。

・測線北側(庚抻山丘陵の谷部)の表層にも層厚5m以下と薄く高比抵抗部が分布する。

・これら高比抵抗の下位には50Ω・m以下の低比抵抗部が分布する。

地質解釈として次のことが言える。

・オ−ガ−ボーリング結果より測線南側の田地表層に分布する高比抵抗部「H」が段丘砂礫層と推定され、南側で厚さが増す傾向にある。

・測線北側の谷部表層に分布する「L〜H」が段丘砂礫層および粘性土層と推定される。

・ 第三紀層は、「LL」と推定され、北側谷部では表層近傍より分布するが、測線南側では南側ほど地表からの分布深度が深くなる傾向にある。

想定される断層線の南側で、低比抵抗部の上面が深くなる傾向にある。地形から推定される断層位置は測線距離125m付近であるが、この低比抵抗部の上面深度が変化する地点はこの位置より20〜40m南側にずれている。