(2)地形概説

今回調査した地域は南北5km、東西8kmの面積、約40km2の範囲であり、南部は鬼石町との境界付近まで、北部は藤岡市街近傍から吉井町東部に至る。

古地形を反映する接峰面図によると,調査地南部は険しい地形であり,中・北部は非常に緩やかな地形である。南西部から北東部には深い谷が刻まれ,現在の鮎川の流道と一致する。鮎川は調査地においては最も古くから流れていた河川の一つで,古くは山地から平地にでる金井付近から吉井町,藤岡市,神流川方面に広く分流していた。そして藤岡の広い段丘面は鮎川によって形成された。また,牛伏山背後にはいくつもの凹地が東西方向に配列する。この配列は馬山−金井線といわれる構造線に一致する。一方,平井断層は山地前面に発達する緩斜面に山地に沿って北西−南東方向に分布し,同断層に沿ってゆるやかな溝が発達する。