3−1−3 空中写真図化結果

中津川市手賀野から深沢では,手賀野断層に沿って中央自動車道が建設されており,変位地形の特徴が失われているものと判断される。昭和22年米軍撮影の縮尺1/10,000空中写真は中央自動車道建設前に撮影されており,手賀野断層による変位地形の特徴が明瞭に再現できる。特に中津川市深沢の中津川中核工業団地北西のF4面の低断層崖は,非常に明瞭である。中津川市深沢〜中垣外の高位段丘面と中位段丘面の分布域を含むトレンチ地点周辺において米軍撮影の空中写真を使用して縮尺1/2,500の復元地形図(図3−1−3−1図3−1−3−2)を作成した。

またトレンチ調査を実施した中垣外地点では,更に精度の良い1/1,000地形図(図3−1−3−3図3−1−3−4)を作成した。図化の元にした空中写真昭和51年国土地理院撮影の縮尺1/8,000のもので地形の人工改変の程度は現在ほど進んでおらず,むしろ上述の米軍撮影時に近い。この縮尺1/8,000空中写真は,画質が高低差の分解能も良く1/1,000地形図を図化するには充分な精度を有する。図化範囲は,トレンチ調査地点を含むF4面における変位地形の分布と形態を把握できる範囲とした。

各々の地形図は,道路や耕地などの地図情報を記入したものと,等高線のみのものの2種類作成した。