2−2−3 空中写真図化

空中写真図化は,比較的人工改変の影響が少ない時期に撮影された空中写真を用いて実施した。図化された地形図を用いて,地形改変前の手賀野断層の分布や形態を復元し,断層の活動性を検討する基礎資料とした。

使用した空中写真と図化平面図の縮尺は,以下の通りである。

@米軍撮影の縮尺1/10,000空中写真を用いて縮尺1/2,500平面図を作成した。図化範囲は,当該地の高位段丘面と中位段丘面の分布を含むトレンチ地点周辺の約1.3km2である。高低差の誤差は,1m程度である。

A国土地理院撮影の縮尺1/8,000空中写真を用いて縮尺1/1,000平面図を作成した。トレンチ調査地点を含むF4面における変位地形の分布と形態を把握できる約0.27km2の範囲とした。高低差の誤差は,30cm以下である。

空中写真図化は以下の手順で実施した。

(1)図化計画準備

図化計画を立案し,必要な資料を収集した。図化に先だって下記資料を収集した。

@縮尺1/2,500平面図:・空中写真ネガポジ(昭和22年米軍撮影,縮尺1/10,000)

コース番号R392,写真番号60〜62

・中津川市都市計画図(昭和63年測量,縮尺1/2,500)

No.58,No.59,No.68

A縮尺1/1,000平面図:・空中写真ネガポジ(昭和51年国土地理院撮影,縮尺1/8,000)

C CB−76−16 コース番号C3,写真番号24,25

・基盤促進整備事業中垣外地区現況平面図

(中津川市,縮尺1/1,000)

(2)予察・選点

基図となる地形図と空中写真を見比べ,経年変化のない地形や地点を探し出し,図化するための基準点を選定した。

(3)現地測量

1/1,000地形図(基盤促進整備事業中垣外地区現況平面図)は座標が示されていなかったので,上記基準点の相対座標と標高を現地測量により求めた。1/2,500地形図(中津川市都市計画図)は国家座標が示されていたので,上記基準点を平面図上でデジタイザーにて計測し,座標値を求めた。

(4)数値図化

基準点座標をもとに解析図化機を使用して,地図情報として必要な各種表現事項をデジタル形式で取得し記録した。

(5)数値編集

対話型編集装置を用い,数値図化データの追加・削除・修正を行い,編集済みデータを作成した。編集データは出力図による目視で点検を行った。

空中写真図化で使用した主要機器を表2−2−2に示す。

表2−2−2 空中写真図化で使用した主要機器