(2)断層変位地形

恵那山断層による断層変位地形は南西−北東方向から西南西−東北東方向に断続的に認められる。

調査地中央部では長さ約600mの区間でほぼ連続してF4−2面とF4−3面に断層変位地形が認められる。また上流(南東)側から連続するF3−1面とF3−3面およびF4−1面が恵那山断層を境に下流(北西)側には分布せず、断層付近で急崖をなす。恵那山断層を横断するF4−4面とF5面およびF6面には断層変位地形は認められない。同断層による各地形面の鉛直変位量の詳細については地形測量や空中写真図化結果による地形解析の項目(3.3.2)で後述するが、概略の鉛直変位量はF3−1面で約15m、F4−1面で約5m、F4−2面で2〜3m、F4−3面で1〜2mである。

断層の隆起側の地形面が複数の地形面に分化し、断層の沈降側の地形面の一部が低位の地形面に埋積されることから、調査地中央部で恵那山断層はF3−1面の形成以降に繰り返し活動しているものと判断される。

調査地北東部ではH1’−1面に断層崖が認められる。恵那山断層を横断するF4−1面とF6面およびdt面には断層変位地形は認められない。