(1)TP1

TP1は,L1面の形成時期を特定するために深さ1.8mのピットを掘削した。砂礫層とそれを整合的に覆う砂質シルトがほぼ水平に分布する。(図3−1−7)。

TP1ピットに出現する地層は上位からA層、B層、C層に区分される。A層は耕土で、深度0.0〜0.4mに出現する。B層は深度0.4〜1.2mに分布するシルト層で、L1面構成層の最上位層と判断される。C層は深度1.2〜1.8mに分布する砂礫層で、L1面構成層と判断される。火山灰分析では、B層にAT(姶良Tnテフラ:22〜25千年前)起源と同定される火山ガラスの濃集ゾーンが確認された。14C年代測定が可能な炭質物は含まれていなかった。

A層:耕土(深度0.0〜0.4m)

黒褐(10YR3/1)を呈する耕土からなる。

B層:シルト(深度0.4〜1.2m)

シルトおよび砂質シルトからなる。径5〜10cmの花崗岩と濃飛流紋岩の亜角礫をわずかに含む。色は明褐(7.5YR5/6, 7.5YR5/8)や橙(7.5YR6/8)を呈する。

C層:砂礫(深度1.2〜1.8m)

礫は径3〜10cmの濃飛流紋岩,美濃帯砂岩およびチャートの亜円礫主体で,花崗岩礫(クサリ礫〜半クサリ礫)を伴う。最大径は30cmである。色はにぶい黄(2.5Y6/4)や浅黄(2.5Y7/4)を呈する。