(4)野久保断層

野久保断層は恵那盆地北東縁の木曽川右岸の中津川市梅平〜野久保にかけて分布する断層で概ね高位段丘面(H1面)と山地の境界に位置する。北東−南西方向で長さ約3kmの断層である(図3−1−5−14)。基盤地質は濃飛流紋岩からなり,南西端の一部に花崗岩が分布する。濃飛流紋岩や花崗岩を高位段丘堆積層(H1面相当)が覆って分布し,さらに中津川市前鼻付近の北東側山麓には崖錐堆積層が高位段丘堆積層を覆って分布する。また沢沿いには土石流堆積層(F5面相当)が分布する。

中津川市梅平でリニアメント直下の濃飛流紋岩中に破砕帯露頭(NK−1)が確認された。

中津川市梅平と野久保の2地点(Loc.21)において,沢の右横ずれ屈曲様地形が認められ,その横ずれ量は約200mと見積もられる。さらにその北東延長部の中津川市野久保(Loc.23)では,浸食により高位段丘面(H1面)にリニアメントと平行に沢地形が発達するが,高位段丘面(H1面)に鉛直方向の変位地形は認められない。