(3)蕨平断層

蕨平断層は屏風山断層から分岐し屏風山断層の前縁に分布する長さ約4kmの断層である。基盤岩は濃飛流紋岩と花崗閃緑斑岩からなり,北東端部では瀬戸層群土岐砂礫層が分布する。蕨平断層のリニアメントは概ね急峻な山地と丘陵地の境界に位置し,北西側には高位段丘堆積層(H2面相当),低位段丘堆積層(L2面相当),土石流堆積層(F4面相当)が広がる。

高位段丘堆積層(H2面相当)は径数cm〜20cmのクサリ礫化した流紋岩角礫を含む角礫層で,マトリックスは褐色〜赤褐色を呈するシルトからなる。

中津川市蕨平(Loc.12)において高位段丘面(H2面)に,高低差20〜25mの撓曲崖様断層崖(図3−1−5−12図3−1−5−13写真46)が見られるが,土石流堆積面(F4面)に断層変位地形は認められない。(図3−1−5−11)。温川と湯舟沢川に挟まれた中津川市霧ヶ原(Loc.12)では中位段丘面(M1面)が広く分布するが,蕨平断層北東延長部には断層変位地形は認められない。蕨平断層は霧ヶ原より北東には延びないと判断される。