1−6−5 恵那山断層

恵那山断層は,「新版 日本の活断層(1991)」によれば,確実度T〜U,活動度B〜C,長さ40q,土岐面(約100万年前)に200〜500mの垂直変位が認められると記載されている。

今回の調査によれば, 恵那山断層は断層中央部を流れる明智川付近で不連続となり南西部(長さ約18q)と北東部(長さ約24q)に2分される。

南西部の内,土岐市柿野から瑞浪市上ノ洞にかけての約7.5km区間では,F5面に低断層崖様の地形(Loc.31,Loc.32)や,沢の横ずれ地形(Loc.33,Loc.34)が断続的に認められる。また瑞浪市東町から山岡町羽佐間にかけての約4.5km区間においても,山岡町羽佐間地点(Loc.37)で沢の右横ずれ様地形が認められ,第四紀後期に活動した可能性があると判断される。瑞浪市上ノ洞から瑞浪市猿爪にかけての約6km区間は第四紀後期の地形面に変位地形は認められない。

北東部の内,山岡町水口から岩村町中富東方にかけての約5km区間で,F3面およびF4面やH1面に低断層崖様の地形が認められ,第四紀後期に活動した可能性が高い。岩村町岩村から三森山北方の約4km区間は,F5面に低断層崖様の地形がみられること,リニアメントが明瞭であることから第四紀後期に活動した可能性があると判断される。燈籠から石畑にかけての約4km区間において,リニアメントは不明瞭で連続性に乏しく変位地形も認められない。三森山北方以東の約8km区間においてリニアメントは鞍部地形の連続からなるのみで,明瞭な変位地形は認められない。