4−2−1 トレンチ調査の目的

トレンチ調査は、牧ヶ洞断層を横断するように2本、またそれらを結ぶように断層の北西側と南東側で断層に平行なトレンチを各1本ずつ掘削した(図4−1付図3)。

No.1トレンチは、地表踏査時に確認した厚い腐植土層の分布状況、断層を挟んでの堆積物の変化から、断層の位置や形状、単位変位量、断層イベント時期の特定を目的で掘削した。

No.4トレンチは、No.1トレンチの調査結果を補う目的で、No.1トレンチに平行に掘削した。断層の位置や形状、断層イベント時期の特定だけでなく、堆積物の分布状況から、右横ずれの単位変位量などを得ることを目的とした。

No.2トレンチ、No.3トレンチは、No.1トレンチ、No.4トレンチで観察される断層の両側に分布する地層のそれぞれの分布状況をより正確に把握するとともに、それらの堆積物をもたらしたチャネルを特定することによって、右横ずれ単位変位量を求める目的で実施した。

なお、トレンチ調査に先立ち、トレンチ調査地点の断層変位に起因すると考えられる微地形情報を保存する目的で、現地形の平板測量を実施した(付図2付図3)。

図4−1 トレンチ調査位置