3−1 地  形

調査地域は、滝ヶ洞山(標高1249.4m)の南東斜面域にあたり、大倉滝の北方に位置する。

当該地では、滝ヶ洞山の南東斜面に、斜面を横断するように北東−南西方向に細長く延びる小盆地(標高約1000〜1100m)が形成されている。

小盆地は最大幅およそ200m、長さ約2kmあるが、その南西端は分離した小丘(分離丘)によって閉塞され、急に谷幅が狭くなる。逆に北東端は谷頭侵食を受け、ウインドギャップとなっている。

滝ヶ洞山へと続く小盆地の北西側斜面では表流水が多く、必従谷がよく発達するが、逆に小盆地の南東側斜面には表流水が少なく、必従谷の発達も悪い。必従谷が発達する北西側斜面から土石流堆積物が供給され、それが南東斜面にアバットしながら堆積しており、小盆地の谷底は南東へ緩傾斜している。

図3−1 地表踏査(精査)の範囲

図3−2 ストリップマップ

精査を行った結果、断層変位地形として@分離丘及び微高地、A屈曲したチャネル、B凹地化した湿地帯、C地形の遷緩点、及びD三角末端面を確認した。

これらの断層変位地形の詳細について、以下に記述する。なお、各地形の位置と分類番号については、図3−2に示した。