6 調査結果の総括

本調査は,北から順に古川断層帯,国府断層帯,高山断層帯と未区分の各断層帯について空中写真判読と地表踏査(概査)を行い,各断層の位置や長さと活動性を検討した。検討結果を表6−1−1表6−1−2に集約し示すとともに,図6−1には活断層と推定された断層の分布図を示す。

詳細調査の対象となった11断層の中で,数河断層,戸市川断層,牧ヶ洞断層,巣野俣断層,江名子断層,宮川断層,大原断層,宮峠断層の8断層が活断層に推定された。

このうち,段丘や扇状地に変位が認められ,明らかに活断層として評価した断層及び区間は,下記の2断層である。

@牧ヶ洞断層の県営種畜場付近

A牧ヶ洞断層の大倉滝北の小盆地

B江名子断層の滝町付近

推定活断層の区間を含めた活断層の長さは活断層研究会(1991)で示されるものよりも全体に短く評価され,その総延長は約50kmとなった。その主な理由は,活断層研究会(1991)の断層崖としていた区間や変位地形の認められた区間に,明瞭な変位地形が認められなかったりして,活断層の疑いのあるリニアメントに評価を下げたためである。その区間は,数河断層の東部・戸市川断層の中央部・原山断層・巣野俣断層の北東部・宮川断層の北東部・大原断層の中央〜南西部・無数河断層の中央部である。

図6−1 活断層と判定された断層の分布図 (縮尺1:200,000)

以下に各断層の活動性について概要を示す。