5−9−2 空中写真判読結果

1万分の1空中写真判読で認められたリニアメントについて北東側のものより仮称番号を付けて図5−45に示す。

1) リニアメント1

リニアメント1は,小原川の南東側の山地斜面に前述の宮川断層により連続する長さ2.4qのリニアメントである。5つの鞍部が短い区間に連続するのが特徴的である。また山地斜面の高度不連続が明瞭で,北西側低下を示す。横ずれ成分については不明である。

2) リニアメント2

リニアメント1と同様小原川の南東側の山地斜面に,高度不連続として,長さ約 2.4qで認められる。

3) リニアメント3

リニアメント3は小原川から大原へ至る北東−南西方向の長さ0.8qと短いリニアメントである。直線的な谷と鞍部からなり,変位の向きは不明である。

4) リニアメント4

リニアメント4は大原東側の馬瀬川左岸より坂本峠を通過し坂本に至る,北東−南西方向の長さ3.7qのリニアメントである。直線的な谷と北西側低下を示す高度不連続が認められる。なお,西端側に同一方向の長さ0.8qと短いリニアメントが並行する。

5) リニアメント5

リニアメント5は坂本より奥長尾川上流へ至る東北−南西方向の長さ1qと短いリニアメントであり,直線的な谷と鞍部が認められ,北西側低下を示す高度不連続が認められる。

以上のリニアメント1〜リニアメント5は概ね北東−南西方向を示し,リニアメント4の西端部を除き1本のトレースを示すが,次に示すリニアメント6〜リニアメント8は走向がN60Eを示すことと,2本のトレースに分枝することがリニアメント1〜リニアメント5のものと異なっている。

6) リニアメント6

リニアメント6は,奥長尾川上流から野口北方1qへ至る長さ2.3qのリニアメントで,鞍部と部分的に直線的な谷が認められる。変位の向きは不明である。

7) リニアメント7

リニアメント7は,リニアメント6の南側1qに並行する関係にあり,奥長尾川から野口へ至る長さ2.3qのリニアメントである。鞍部と直線的な谷が認められ,西側 では南側低下の高度不連続が認められる。

8) リニアメント8

リニアメント8は,小倉よりその西方の谷へ延びる長さ1.4qのリニアメントで,直線的な谷からなる。変位の向きは不明である。

図5−45 リニアメント分布と地形面区分図(縮尺1:50,000)