5−2−4 戸市川断層の活動性の評価

戸市川に沿って分布するリニアメント1は谷の直線性のみであり活動性については不明である。戸市から黒内にかけての谷底堆積物,沖積低地,段丘面と扇状地に断層変位地形は認められておらず,これらの地形面下に伏在する可能性は否定できないものの,活断層が存在する可能性は低いものと判断される。

古川町黒内上流から増谷上流にかけて分布するリニアメント2とリニアメント3は,いずれも河谷と尾根の右ずれ屈曲が認められ,活断層と推定される。なお両者は右雁行する関係にある。

森茂峠に至るリニアメント4は,前述のリニアメント1と同様,活動性については不明である。

表5−2 戸市川断層におけるリニアメントの評価

以上の結果,戸市川断層はリニアメント2とリニアメント3が活断層と推定される区間であり,その延長は,両者の端部をとると約4.5qとなる。(図5−12参照)

図5−12 活断層図(縮尺1:50,000)