5−2−1 概要

戸市川断層は,野沢・河田・河合(1975)によって命名・図示された断層である。

活断層研究会(1991)によると図5−6に示すように,前述の数河断層の下数河地区より戸市,黒内,舟原を経て小鳥川左岸の森茂峠にかけて延長され,北東−南西方向の長さ22q,確実度U,活動度C級の活断層として評価されている。

断層分布域の地形は概略以下のとおりである。

下数河地区より宮川までの区間は,戸市川が狭長な直線的な谷地形をなし,宮川に合流する付近で両岸に小規模な段丘面を形成している。宮川の西側には,殿川沿いに沖積低地が広がる。

また黒内地区には,段丘と扇状地が広く分布している。これより以西は,小鳥川と支谷の区間を除き,ほぼ山地斜面となっている。

図5−6 戸市川断層分布図(活断層研究会,1991)