4−2−2 選択結果

上記の選択要素について検討した結果を表4−2に示し,以下の断層が挙げられる。

古川断層帯

@戸市川断層(長さ22 km),A数河断層(長さ15 km)

国府断層帯

B牧ヶ洞断層(長さ20 km)

高山断層帯

C江名子断層(長さ11km),D宮川断層(長さ15km)E大原断層(長さ20km),F宮峠断層(長さ16km)

無数河断層帯

G無数河断層(長さ18 km)

上記断層帯以外の断層(未区分の断層)

H高野断層(仮称)(長さ9 km),I巣野俣断層(長さ10km) J 原山断層(長さ6km) 総計 162km

確実度Tの断層で選択しなかった断層は,夏厩断層,三尾断層,猪之鼻断層である。前2者は変位地形は明瞭であったが,第四系の分布が少なく,また第四系が変位していることが認められなかったためである。猪之鼻断層は長い活動史を持ち,多数の断層変位地形が観察される断層(山田ほか,1985)であるが,明らかに第四系(最近の時代)に変位を与えている地形は認められなかった。

他に源氏岳断層は,明瞭なリニアメントと供に変位地形は明瞭であったが,第四系に変位地形が認められなかったため調査対象から除外した。

小坂断層については,断層付近に微小地震が発生(京都大学防災研究所,1998の資料より)しているが,第四系が分布していないため調査対象から除外した。なお,高野断層(仮称)は確実度Vに区分されているが,扇状地に崖地形が認められ,これを確認するために対象断層とした。