3−3−3 既存ボーリング資料

調査地域で実施されたボーリング資料を,表3−7に示す機関から収集し,ボーリング位置を図3−12に示す。すべてのボーリング資料は,別冊の「既存ボーリング資料」に添付した。

ボーリングの掘削深度は5.0〜60.0mであり,総本数168本の内の多くは「崖錐堆積物+岩盤」の組み合わせを掘削している。活断層の検討に有効なボーリング地点は,断層を挟んだ両側に位置し土砂層(完新世〜おそらく鮮新世の堆積層)もしくは土砂層と岩盤とを掘削した箇所,及び盆地内で土砂層の基底標高や厚さを知ることができる箇所である。この観点から,断層に関連すると思われる箇所について以下に示す。

@ 図3−13に示すように牧ヶ洞断層の北東部に当たる高山市中切町で断層を横断する測線を得たが,断層に関連した情報は得られなかった。ボーリングb`3−24によると,この付近の川上川の沖積層の厚さは最大で約15m,基底標高は542mであった。 

A 江名子断層付近では,更新世の礫層や砂層に相当する土砂層を掘削しているが,地層境界が分かる深度まで掘削しておらず,基底標高を知ることはできなかった。

また,ボーリングbd3−1(図3−14)や付近ボーリングには,美濃帯の輝緑岩や玄武岩中に破砕帯が見出され,120mの間に幅30mと20mの破砕帯が推定されている。この破砕帯はリニアメントが通る付近に位置する。

B 神岡町寺林付近のボーリング(b`11−2)では,国道41号沿いに砂礫層が厚さ10m以上で分布する(図3−15)。

C 宮峠断層の北約500mのボーリング(b`10−2)では,礫混り粘性土が主体の土砂層が少なくとも25mは分布する。土砂層に対する地層の記載はない。この深度は標高634mで,沖積面より14m程度以上低いことになる。

表3−7 収集した既存ボーリング資料一覧