4−9 原町市片倉地区

空中写真判読によると,原町市片倉においてH2 面(高位段丘面)上にリニアメントが判読され,同面には約10m東側が低い高度差が認められるものの,その北方延長部の片倉北に分布するL1 面上にはリニアメント,高度の不連続は認められない(図4−38図4−39図4−40)。また,久保ほか(1990)も,片倉におけるH2 面を高位T面,L1 面を中位U面(南関東の小原台面相当;約8万年前)とした上で,高位T面には変位が認められるが,その北側の中位U面には変位が認められず,この付近では更新世の後期における断層の活動はないと考えられるとしている。

これらのことから,本地区においては,少なくとも約5万年前以降における双葉断層の活動はないものと判断される。