4−5−2 反射法データ処理結果

データ処理・解析の結果、本調査測線の直下の地下構造形態を表す

速度構造図

重合断面図

時間マイグレーション断面図

深度断面図

等が得られた。

図4−1には、二つの測線が受振点の番号と共に示されている。この図の中には今回の地表地質調査で明らかになった活断層の伏在部も赤い点線で示してある。又、地質構造解釈により見つかった断層或いは地質境界の位置をF1〜F4の記号で示してある。

 図4−7−1 は Line−1 で取得されたショット記録である。右側が測線南側での発震記録(SP 241)で左側が測線北側での発震記録(SP 17)である。

 図4−7−2 は Line−2 で取得されたショット記録である。右側がトンネルの南側で発震した記録(SP 129)で、左側がトンネルの北側で発震した記録(SP 39)である。初動の切れ具合から判断すれば、トンネルの南側での発震の方が北側での発震と比べ良く効いている様に見える。

 図4−11−1図4−11−2 はタイムターム法と呼ばれる屈折波解析により求められた結果を測線毎にまとめたものである。最上部は各受振点のタイムターム値を示したもので、低速度層の厚いところで大きな正の値となっている。中央部は表層の速度を600m/sに仮定して求めた表層基底層の速度を示している。Line−1について見ると、北側で2000m/s程度の速度が見られ、南に進むにつれその速度は僅かに増大し、南端では2100m/s程度になっている。Line−2について見ると、ほぼ2000m/s程度であるが、測線の中央部では若干速く、測線の南端部でやや遅くなっている。最下部は表層構造図であり、実標高と共に表層の厚さが示されている。Line−1の北側の中学校付近では表層の厚さが10mを超えるが南側に向かうにつれ薄くなり南端付近では5m程度になっているのが分かる。また、Line−2については、トンネルの直下で表層が殆ど無くなっている事がわかる。

 図4−12−1図4−12−2は、測線毎に反射法の処理の過程で得られた速度構造図である。図中に示した等速度線は重合速度に基づくものである。大局的な構造からも想像できるように、全般に速度の側方変化は大きくない。Line−1の中央部では若干の速度低下が見られる。Line−2では、測線中央部を境として北側で速く、南側でやや遅い傾向がある。

 図4−13−1図4−13−2には、測線毎の代表的な速度解析パネルに結果を重畳表示したものを示した。図4−14−1図4−14−2は各測線の重合断面図であり、高周波のノイズを低減させる帯域通過フィルターを施して1.5秒まで表示してある。

 図4−15−1図4−15−2は時間マイグレーション断面図で、重合断面図の中に見られる傾斜した構造は正しい位置に修正されると共に、回折波がなくなり、記録が整理されているのが分かる。

 図4−16−1図4−16−2は時間マイグレーション断面図を速度構造に基づき深度領域に変換した深度断面図で、深度1.5kmまでを表示してある。この際用いた速度構造は、既に示した速度構造を測線方向に平滑化したものである。この図面の縦横比は1:1になっているため、図面上での傾斜角は実際の傾斜角に対応する。

 図4−17−1図4−17−2は、図4−16−1図4−16−2の深度断面図に対して、深度1.5kmまでを対象に振福の大きさに応じてカラー表示したものである。

 図4−19−1図4−19−2は、図4−17−1図4−17−2のカラーの深度断面図に対して、特徴的な反射境界面(太い緑線で示すA面と細い白線で示す幾つかの反射面)及び推定された断層や地質境界(F1〜F4で示したもの)等について地質構造解釈を行った結果を測線毎にまとめたものである。図中に示した速度値は解析の中で求まったP波の区間速度である。更に、その区間速度が2000m/sと3000m/sの大まかな位置を細い点線で結んで示してある。