(2)桑折町万正寺地区精査結果

この地区の断層は丘陵地と平野部を分離する1条の崖となっている。断層の西側にお梨平層の凝灰質粗粒砂岩が分布し、断層の東側にはLT面、LU面、崖錐堆積物による緩斜面が分布する。このうち、LU面と崖錐堆積物は断層を横断して分布するが、LU面には8m〜10mの比高が認められる(C−C’断面)のに対し、崖錐堆積物の緩斜面には明瞭な傾斜変換部が認められない(B−B’断面)。

段丘面の構成層は直接観察することはできないが、段丘崖下の崩落土砂などは細礫混じりのシルト・砂がほとんどであり、礫は円礫が多いためこの地区LT,LU面は産ヶ沢川によって形成されたものである。これに対して崖錐堆積物では比較的大きな礫を含む場合がある。