(1)北側法面

断層は,Ta層(河成礫層)基底面すなわち基盤上限面に約1.0m東落ちの鉛直変位を与えている。基盤の断層面上にみられる条線は, 不明瞭ではあるが,約10°北落とし〜 5°南落としを示す。

第四系内では,概ね2条の断層(Fa,Fb)が認められる。

東側のFa断層は,T層〜W層までいずれも鉛直約40cm〜約30cm西落ちの変位を与え,X層最下部の黒色土壌「α」にも鉛直20cm西落ちの変位が認められるが,その上位の褐色土壌「a」には変位は認められない。

西側のFb断層は,東落ちの断層であり,上方でフラワー状に4条に分岐する。そのうち最も西側のFb1 断層は,T層及びU層の下部に変位を与えているが,Uk2層基底に変位を与えていない。その他の3断層はW層基底まで変位を与え,X層基底にも撓み状の変形が認められる。