4−5 断層延長距離

調査地域における断層の延長距離は北部区間が12.5km(福島県内)以上であり、南部区間は約15kmとなっている。これらは、平成8年度に実施した反射法探査によって直接連続する断層面を持たない可能性があるが、各断層の最終活動時期では北部区間と南部区間で独立して活動したことを決定付ける証拠は得られていない。また、イベント時期の推定から、北部区間・南部区間とも比較的接近した活動時期・平均変位速度を示している。

従って、これらの断層が地下深部で連続し同時に活動することを否定できないことから少なくとも約30kmの連続をもって活動する可能性はあるとした。さらに、新屋(1984)によればこの断層は地質構造や地形条件から宮城県白石市付近まで連続し、白石市付近では4,035±120y.B.P.の年代値を示す堆積物によって形成される段丘面に約4.5mの変位を報告している。この区間が福島盆地西縁の断層帯と同時に活動するとした場合福島盆地西縁断層は約50kmの長さで連続する可能性も考えられる。