3−4−3 万正寺地区調査結果まとめ

万正寺地区でのピット2−1では、想定した断層位置に断層面は出現せず長さ20m、深さ2.5mのピットの全面に泥岩・砂岩の互層が確認された。また、この地点で見られる平坦面には段丘堆積物等が存在していない。このことから、断層はより前面の崖を形成しており、この区間においては断層はほぼ1条となっていることが確定的となった。この断層崖の東側には沖積低地が位置している。

ピット2−2で観察されたシルト質砂層や砂礫層は沖積面から約5mの高さに位置する。この堆積物が沖積低地に対比される場合、断層活動は3,230年前以降に起った可能性が考えられる。

平成8年度実施のボーリング試料からは、図3−4−1の断面図に示した年代値が得られている。このことから、この地点での約7,000年以降の変位量は5〜7mである。また、No.4孔の深度9m付近からは21,220±410y.B.P.の年代値が得られた。