(1)トレンチ調査のまとめ

トレンチ調査では、調査地点が地形的に極めて明瞭な撓曲崖の延長部にあたるにもかかわらず、F層以上あるいはG3層以上のものには著しい変形は観察されなかった。地表で観察された段差はいずれも人工改変によって生じたものと考えられる。これに対してG4層以下の地層では、トレンチ中央部付近から北西側で15°程度の傾斜が見られ、より下位のH層では70°の傾斜を示している。この傾斜は古い地層ほど大きな傾斜を示していることから断層運動による累積変位を現わすものと考えられる。