(1)大笹生No.5孔

No.5孔では深度0.00〜0.83mまでが黒色〜暗褐色の表土となっており、深度0.83〜 0.94m淡褐色〜褐色の中〜細粒砂層となっている。深度0.94〜1.17mは礫径の大きな礫層で基質には腐植質の砂〜シルトが見られる。深度1.17〜 2.00mには褐色のシルト〜細粒砂層がみられ、1.60m付近には腐植質シルトが挟まれる。

深度2.00〜 4.96mには淡褐色〜淡灰色の極細粒砂層が連続している。この細粒砂層には不明瞭ながら葉理がみられ30°前後の傾斜を示す部分もある。この地層の下部はやや粒度の粗い砂層から細礫混じり砂層に変化する。深度4.96〜 6.00mは礫層となっており、上部。は細粒の角礫が優勢であるが、下部ほど礫径が大きくなっている。深度6.00〜 7.00mシルト〜砂質シルト層がみられ下位ほど粗粒となっている。深度7.00〜15.00mは砂礫層となっているが7.00〜7.45m角礫を含む細礫層である。6.96mから7.45m間では6.00mを境として地層の繰り返しが確認でき、断層が6.00mを通過するものと考えられる。

深度1.2〜1.3m,1.6〜1.7mにある腐植質層の14C年代測定を行った。測定結果は表3−2−1に示す。深度1.2〜1.3mで2,040±60y.B.P.,深度1.6〜1.7mでは9,100±70y.B.P.の年代値が得られた。従って深度1.3〜1.7mの地層はトレンチで確認されたJ層に対比される。