2−2−6 トレンチ調査

・トレンチ調査のうち森山トレンチでは、断層の最終活動時期、活動間隔、1回の単位変位量などを明らかにすることを目的とした。トレンチでは2回の異なった活動が確認された。しかし、各層の年代測定結果から断層に切られる最も新しい地層の時代と断層に切られない最も古い地層の時代に大きな時間差があり、断層の最終活動時期を特定するには至らなかった。また、活動間隔や単位変位量についても検討資料は得られたものの、これらを限定するには至らず、最終活動時期については「少なくとも1,800年以前である」ことが確定され、活動間隔はこの期間の活動がないことから1,800年以上であることが確定されたにすぎない。単位変位量については確認された断層面沿いの地層のずれ量が3.3mであり1回の変位量はこれ以下であることを限定するにとどまった。

・大笹生トレンチでは、近接する断層面確認露頭との関連によって、断層の最終活動時期を特定することを目的とした。この結果この地域で約10,000年前に形成された段丘面は約5.5m垂直変位し、断層の最終活動は約9,000年前から約4,000年前の間に起こったことがほぼ確定的となった。