4−5−6 平均変位速度

文献@、D等に示された警固断層による阿蘇−4火砕流堆積物の変位は上下方向に2m以上である。

これをもとに、断層の平均変位速度を求めると次のようになる。

平均変位速度(上下方向)>200p/9,000年=2.2p/1,000年−−−−−@

また、今回大佐野のトレンチで確認された地層の変位量から、平均変位速度を求めると次のようになる。

4A層下面(4B層上面)

:平均変位速度(上下方向)=変位量/地層の時代=65+〜82+p/31,000年

                 =2.1+〜2.6+p/1,000年−−−−−A

@とAの値はほぼ一致しており、警固断層系の上下方向の平均変位速度は、2〜3p/1,000年と評価できる。

また、前述のように水平方向の変位成分を上下方向の2倍とみると、実変位として求めた平均変位速度は、4〜7p/1,000年と算出される。

いずれの値からみても、活断層としての活動度はC級という評価になる。