4−5−3 断層の型

大佐野地区のトレンチ調査では40〜50゜南西傾斜の見かけ上、西上がりの逆断層として出現した。かつて大野城市上大利にあった露頭でも同様の状況が確認されており、福岡市域での重力探査の解析によっても同様の逆断層の構造が示唆される。

また、今回トレンチの断層面に見られた条線の観察や、春日市・大野城市での断層を横断する河川の屈曲(都市圏活構造図「福岡」参照)から見て、同様に横ずれの変位成分をもつ(条線の観察から見て上下:水平=1:2程度)と認められる。全体的に見ると西側上がりの左横ずれ断層である。

※1 唯一、大野城市上大利の露頭で、阿蘇−4火砕流第石仏上に衝上した花崗岩について、2m以上の上下変位量が認められた。

※2 後出表4−5−2参照。ただし、第3層、第2層の変位量については、境界が削剥されているため、明瞭には確認できない。特に第3層上限については、10p以上の変位量成分を追加するべきと思われる。

※3 このほか、トレンチの断層の延長部の可能性のある大佐野中学校北側の断層露頭でも同様に条線の傾斜が0〜45゜である。