4−5−2 断層の変位量

既往文献に示された断層の変位量は、表4−2−2の通りであるが、時代の特定できる地層についての明確な変位量は確認できていない※1。今回の調査で得られた断層変位量についてのデータを、表4−5−1に示す。

警固断層系は、従来からかなりの横ずれ編A成分を有する断層と考えられており、文献Fでは断層を横断する河川の屈曲が図示されている。一方、今回の調査のトレンチにおける断層面の観察では、断層面の条線は水平方向から北0〜45゜程度傾斜していることが確認されており※3、水平方向の変位成分は左横ずれで、変位量は上下方向の変位量に対して上下:水平=1:1以上と判断される。なかでも条線の傾斜の観察値は20〜45゜付近に集中しており、このことから見ると変位成分比は、上下:水平=1:1〜2.7≒1:2とみて、概ね妥当と考えられる。