(2)まとめ

以上の結果から見て、本地域ではボーリング調査によって確認できる程度の大きさの変位をもつ活断層は存在しないようである。また、浅層反射法により推定された基盤上面のずれも確実なものではなく、第四系を変位させている断層かどうかは不明である。ただし、大佐野地区のトレンチ調査結果でみられたように、新期段丘構成層堆積後の、警固断層の上下方向のずれは数10pオーダーである。このことから見ると、この付近の断層運動の規模が、ボーリング結果や浅層反射法では検出しにくい、ごく小さな上下方向変位(ボーリング結果から見ると30p以下)を生じさせる程度のものであった可能性はあり、断層の存在そのものを完全に否定することはできないと思われる。

このように評価した場合、空中写真及び現地で確認されたリニアメント部の崖の比高が1〜2mと大きいことが問題となるが、これは崖形成後の浸食作用の結果もしくは断層運動によって形成された低い直線崖が人為的に改変された結果※として説明可能と思われる。

なお、この地域については当初トレンチ調査も計画していたが、上述のように事前調査結果では、断層の存在が十分確実なものとして評価できなかったため、トレンチ調査は中止することとした。

※ この付近には、古代に直線的な「官道」が延びていたことが、種々の資料から知られている。