4−2−1 文献調査結果

警固断層系に関する文献及び警固断層系周辺の地形地質に関する調査を実施し、同断層系の位置・性格等についてまとめた。調査範囲は、福岡市中央区〜筑紫野市武蔵付近までの長さ約26qの範囲である。

表4−2−1−1に断層及び地形地質に関する主要文献の一覧表を示す。各文献の複写を巻末資料に収めた。

表4−2−1−2に既往文献における警固断層系に関する記載内容を整理した。また、これらの文献が示す活断層の位置を編集し、断層位置として図4−2−1−1に示した。

警固断層の主要な記述は、ボーリングデータによる福岡市域の地下地質解析に基づく文献@が最初である。その後、文献B、Cでは地形解析により南東方向への延長部が確認・記述され、また、文献DやHでは、南東延長部での断層露頭の存在が記述されている。文献Dでは、これらの既往文献の成果を統括した記述がなされている。その後、ごく最近の文献E、F、Gでは、地形や地下地質の再解析により、より高い精度で断層の位置・性格等が記述されている。

これらの文献に示された警固断層(系)の位置を見ると、福岡市域については地下地質解析に用いたデータの違いを反映して、文献@〜Dと、文献F、Gでは、やや位置が異なっており、後者では前者より南西側に想定している。一方、春日市以南の地域についても、文献B、Cで一条の断層とされていたものが、文献E、Fでは雁行する複数の断層と認定され、南東方向への延長もやや長くなっている。