2−5−9 断層活動のパラメータ

以上の結果を総合すると、西山断層系の活動パラメータについては、次のようにまとめられる。なお、ここで中位段丘堆積層の上下方向の変位量(1〜2m実測)と、これに対応する実変位量(2m:断層の長さから算出)をもとに、変位量の水平成分を求めると、上下:水平=1:1.7以下となり、本章2)で 谷筋の横ずれから求めた上下:水平比(0.3〜2.3)と矛盾しない値となる。

  

・断層の長さ:約29q (セグメントを区分するデータは得られていない)

・断層の走向:北西−南東(トレンチでは、N52W80S)

・断層の型:西側上がりの高角の左横ずれ断層(トレンチのデータと地形から)

・変位量の上下・水平比:上下:水平=1:0.3〜2.3(地形等からの推定)

・平均変位速度:上下方向で1〜2p/1,000年程度、実変位で2〜5p/1,000年以下活動度はC級以下(地形からの推定)

・1回の変位量:上下方向 1〜2m程度(地形ボーリングデータ)実変位  2m程度(計算値)

・活動間隔:60,000年〜230,000年(計算値)ないし80,000年以上

・最新活動時期:10,000年BP〜2,000年BPの間(トレンチのデータ)

・1回の地震活動の規模:マグニチュード7程度