(1)調査の諸元

1)採取コア:径50〜70m/m、試料を乱さないオールコアサンプリング

2)掘削を始める前に、各試錐孔の孔口標高を水準測量にて求める。

3)コア採取方法

本業務におけるボーリング調査では、活動度が低い断層の断層面を挟んだ両側における鍵層の変位量及び複数の鍵層の堆積年代と分布深度を詳細に把握する必要がある。これらの目的を達成するために必要なボーリングコアの品質は、少なくとも以下の条件を満たすものでなければならない。

A)層位学的に乱されておらず、かつサンプラーから取り出した状態で、少なくとも10cm程度のオーダーで試料採取深度の確定が可能なこと。

B)原位置における状態に比べて、粒度、含水比等が大きく変化していないこと。

C)異なる深度の土及び鉱物質の異物が一切混入しないこと。

D)地層が大きく変化してもコアの脱落や流失がほとんどないこと。

これらの条件を満たすために適切なサンプラーを選択・使用して、高品質のコア試料を採取することに努めた。

4)採取コアの処理

a)写真撮影:コアは、マッドケーキ等掘進中の付着物を除去或いは洗浄し、地層の観察、写真撮影において、地層区分が鮮明に判別できるようにした。

B)柱状図の作成:地層区分の観察事項の記載を行い柱状図を作成する。柱状図は、縮尺 1/100 とした。地層の特徴として層相、粒度、色、固結度、堆積構造、化石、テフラ等を記載し、サンプリングした試料の番号と採取した深度を表示した。

C)分析用試料採取:示準層(物)の試料を採取し、地点・深度を明記して、密封可能なポリ袋に封入した。

5)試料の分析

上記のc)で採取した試料のうち、必要試料については、年代測定、テフラ及び火砕流堆積物の顕微鏡観察を行った。