3−2−3 地形地質踏査結果のまとめ

地形判読により確認されたリニアメントについて地表踏査を行った結果、以下のことが明らかとなった。

(1)L−1−1リニアメント

空中写真により判読されたL−1−1リニアメント(日活(1991)の細呂木断層の一部に一致)沿いには、断層変位地形の可能性のある地形要素がいくつか認められる。

地形および地質からは、東側隆起の断層活動が示唆される。

(2)L−1−2リニアメント

空中写真により判読されたL−1−2リニアメント(日活(1991)の篠岡断層および福井東側地震断層の一部に一致)は、目視および測量により確認できる。しかし、本リニアメントに沿っては人工改変が著しいほか、リニアメントの両側に変位の基準となる地形面の分布が認められないことから、現地の状況から活動性や詳細な断層位置を把握することは難しいものと考えられる。

地形測量結果から判断される断層変位は、東側隆起である。

丸岡町小黒に位置するMr5面の逆傾斜については、以下のような成因が考えられる。

@西側が隆起する高角度逆断層の活動に起因する地形面および地層のひきずり

A東側が隆起する低角度逆断層の活動に起因する地形面の傾動および地層の撓み

(3)L−1−3リニアメント

空中写真により判読されたL−1−3リニアメント(日活(1991)の松岡断層の一部に一致)は、Mt2面上の変形として目視および測量により確認できる。

地形面の変形から示唆される断層変位は、東側隆起である。