5−5−2 セグメント区分と地震規模

「3.活断層の分布形態」「4.活動履歴」に基づきセグメント区分案を図5−5−8表5−5−1に示す。セグメント区分に当たっては,@右横ずれ断層に伴う隆起沈降(図5−5−11),Aバリア,特に引張性バリアの認定(図5−5−9),B分岐(図5−5−10),Cステップやギャップの規模等を判断基準に使用した。

なお,地震規模は,松田(1975)の断層の長さ(L)もしくは1回当たりの変位量(D)と地震のマグニチュード(M)との関係式(図5−5−7)から算定した。

ML=(logL+2.9)/0.6  L:活断層の長さ(km)

MD=(logD+4.0)/0.6  D:断層の変位量(m)

図5−5−7 松田(1975)による日本内陸の地震マグニチュードMと断層の長さL(a)および変位量D(b)の関係(白丸印は地震断層データ,黒丸印は地震観測または測地データによる)

図5−5−8 愛媛県の中央構造線活断層系の分布形態模式図

図5−5−9 左横ずれ断層の幾何学的バリア(佃,1991)

圧縮性バリア(横縞模様)と引張性バリア(網模様)

図5−5−10 断層分岐と断層破壊伝播方向のモデル(中田ほか,1998)

図5−5−11 横ずれ断層に沿った縦ずれ変位分布パターンの概念図(中田・後藤,1998)

図5−5−12 愛媛県内の中央構造線活断層系のセグメント区分(案)

表5−5−1 活断層の分布形態ならびに活動履歴に基づくセグメント区分案