5−4−4 小松断層(川上断層東部)

(1) 堤ほか(1998)の西条市氷見におけるトレンチ調査によれば,川上断層東部の最新活動時期は1,950〜1,170年前以降と推定されている。また,川上断層東部(国土地理院(1998)では小松断層)の活動間隔を1,000〜1,500年と推定している。

(2) 愛媛県(1999)は,西条市土居におけるトレンチ調査(堤ほか(1998)のトレンチに近接)から,小松断層の最新活動時期を1,770yBP以降と推定した。ただし,堤ほか(1998)のイベント年代を愛媛県によるトレンチ調査結果から再解釈すると,最新活動時期は1,170yBP以降の可能性が高い。

(3) 古地震データとして,小松断層の2.5km北西に位置する幸ノ木遺跡で確認された12世紀以降の噴礫(埋文関係救援連絡会,1996)および1595年伊予壬生川鶴岡八幡の陥没(宇佐美,1996)の報告があり,本断層の活動との関連が注目される。

以上を総合し,小松断層(川上断層東部)の活動履歴を以下のように推定する。

@ 最新活動時期:1,170yBP以降(12世紀以降の可能性が大きい)

A 1つ前の活動時期:4,070〜1,770yBP

B 2つ前の活動時期:4,000yBP前後

C 活動間隔:1,400〜1,600年

D 経過時間率:0.5〜0.9(最新の活動が12世紀以降と仮定すると,0.5〜0.6)