5−4−2 伊予断層

(1) 小川ほか(1992)は,上灘沖においてソノプローブ,ピストンコアラーによる海底地質調査を実施し,上灘沖の断層は約6,200年前および4,000年前に活動したと推定した。また約

2,000年の活動間隔を仮定して,最新活動時期を約2,000年前と想定している。

(2) 愛媛県(1998)は,トレンチ調査結果により,伊予断層の最新活動時期は鬼界−アカホヤ火山灰降灰後に少なくとも1回の活動があったと報告した。また,活動間隔を5,500年より短い数千年のオーダーと報告した。

(3) 中田ほか(1998)は,トレンチ調査および畔の右屈曲から伊予断層の最新活動時期が地割り後,すなわち歴史時代にあった可能性を指摘している。

(4) 後藤ほか(1999)は,伊予市市場のトレンチ調査結果に基づき,伊予断層が13世紀以後に活動したと推定している。

以上を総合し,伊予断層の活動履歴を,以下のように推定する。

@ 最新活動時期:13世紀以降

A 1つ前の活動時期:約2,000年前〈不確実〉

B 活動間隔:約2,000年〈不確実〉

C 経過時間率:<0.4