5−3−3 重信・北方・川上断層と小松断層との連続性

川上断層および小松断層の連続性については,桜樹屈曲部の評価で見解が分かれている。

(1) 岡田(1972),国土地理院(1998),後藤・中田(1998)は,中央構造線桜樹屈曲部で川上断層が左屈曲するものの,連続すると推定している。

ただし,右横ずれ断層に伴う上下変位の方向からも(後藤・中田,1998),小松断層(川上断層東部)と川上断層西部とは異なるセグメントとして活動する可能性がある。

(2) 高橋(1986),愛媛県(1999),谷野宮・田中(1999)は,桜樹屈曲部における川上断層の連続性については,否定的な見解を示している。この場合,桜樹屈曲部で1.5〜2.5kmの左ステップがある。

いずれの場合でも,桜樹屈曲部は右横ずれ活断層の圧縮性バリアに相当している(図5−3−7)。