(2)調査結果

北方断層が通過する地形面は扇状地で,淘汰の悪い径20〜50cmの玉石混じりの砂礫層から構成されており,トレンチ調査としての適地が見出せなかった。このため,北方断層の鉛直方向の平均速度を検討するため,低断層崖を挟んで3測線の地形測量(LT面/AT面,LU面/AT面,AT面/AT面)(図4−4−4)と,代表測線(LT面/AT面)で低断層崖を挟んで2本のボーリング調査を実施した。

ボーリング調査による地質断面図を,図4−4−5に示す。ボーリング調査において,対比した地層が同じ速度で堆積したと仮定すると,AT面で2m,LU面で6m,LT面で11mの高度差があり,北方断層の鉛直方向の平均変位速度は0.20m/1,000年程度と推定される。