(1)分布形態

北方断層は川内町北方〜川内町松瀬川にかけて,約2.5kmにわたって分布する。断層変位地形が明瞭で複数の段丘面が断層変位を受けており,比高は約2〜11mである。全体に北側隆起の傾向を示している。

重信断層と北方断層の間には2km余のギャップがある。このギャップの箇所は重信川の新期扇状地面に相当し,変位地形が侵食もしくは埋積された可能性が高いものと考えられる。

また,重信断層の一般走向はN80°E,北方断層のそれはN90°Eである。両断層は約10走向を異にするが,約2kmのギャップ間でなめらかに連続するようにも見えるため,重信断層と北方断層は一連のセグメントとする。

一方,北方断層(N90°E)と川上断層(西部)(N70°E)とは約200m離れて並走しているため,これらが別々に活動するとは考えがたいので,同一のセグメントとする。