(3)活動履歴

・イベントT(最新活動時期)

地層の流動化により,最新活動時期と考えられるイベントTは,A層堆積以降の可能性が高い。A,B層からは年代測定に適した試料は得られなかったが,C層上部に分布する腐植物の14C年代測定結果から,940±70y.B.P(Beta−137515)の14C年代値が得られている(表3−3−2)。

したがって,A層中に認められる地震動による地層の流動化時期は,940±70 y.B.P (AD980年)以降である。この地層の流動化の時期は,長谷川他(1999)のトレンチ調査による畑野断層の最新活動時期770〜625 y.B.P と重なる。

本トレンチにおける14C年代値と地震動による地層の流動化時期の関係をまとめると,表3−3−4のとおりである。