(2)地質構造

1) 断 層

本トレンチでは,1条の断層(F1断層)が確認できる。F1断層は西側法面ではW−10〜W−11付近で確認でき,走向・傾斜N84°W・88°Sを示し,各層を北側が隆起するように変形させ,断層に沿って扁平礫の再配列,見かけ上の地層の変位等が認められる。また,最上位層であるA層に覆われており,またその断層間にはK,Mおよびi層が混在する断層帯を形成している。一方,F1断層は東側法面では,E−10〜E−11で確認でき,走向・傾斜N84°W・88°Nを呈し,全ての構成層を切断して,耕作土直下まで達している。

断層より北側は主として中位段丘相当層で構成されており,断層より南側は主として沖積層で構成されている。また,断層より南側において最下層を構成するM層が断層より北側に分布するT層と酷似することから,M層は中位段丘相当層と推定でき,断層を挟んで中位段丘相当層のみかけの高度差は約2m以上である。