(3)考 察

撓曲想定位置の北側で実施した3孔(北よりボーリングbjo−5、bjo−1およびbjo−2)の結果によると,各地層は約10〜20゜前後で北へ傾斜して分布し,北ほど層厚が厚くなる傾向が認められる。また,低位段丘堆積物の出現深度は,ボーリングbjo−2孔で約4m,bjo−1孔で約5m,bjo−5孔で約5.6mと北側ほど深くなる。

一方,撓曲想定位置の南側で実施した2孔(北よりボーリングbjo−3、bjo−4)の結果によると,各地層はほぼ水平に分布し,層厚に明瞭な差が認められない。また,低位段丘堆積物の出現深度は約2〜3mであり,E〜H層を欠いている。

以上のように,各地層の連続性や出現深度から,ボーリングbjo−2〜bjo−4の間付近で低位段丘堆積物に南上がりの変位を示す撓曲が想定される。撓曲による地層の変位量は,撓曲を挟んで,南北に対比できる地層が認められないため不明である。一方,沖積層の基底面はほぼ水平構造をなし,撓曲構造の推定位置Ko−3付近に有意な高度差は認められない。