3−12−2 地表踏査(精査)

米湊地区の1/2,500の地形地質分類図を図3−12−1に示す。

(1) 地 形

当地域は,和泉層群から構成された山地を発端として,南東から北西方向に流れる森川の東側にあたる。森川の氾濫によって形成されたと考えられる低位段丘面,沖積面が広範囲に分布し,わずかに中位段丘面が残存する。

都市圏活断層図「郡中」(1998),長谷川ほか(1999)によれば,米湊断層は地表付近では撓曲構造を形成している可能性が強いことが指摘されている。

伊予市本群から米湊にかけて,米湊断層は,LU段丘の北縁において,北東−南西方向に伸びる撓曲崖をなし,沖積面とLU段丘面との比高差は4〜6mである。群列ボーリングを実施した尾崎測線は,LU段丘面が解析され,南北方向に伸びる沖積低地にあたる。

(2)地 質

当地域における段丘堆積物および沖積層は,旧森川による河川堆積物,森川の氾濫による後背湿地堆積物からなるものと推定されるが,自然露頭はほとんどないため,既存のボーリング調査資料から地質を推定した。

当地域周辺では,伊予市本郡において,長谷川ほか(1999)によりボーリング調査が行われている。この調査結果によれば,LU段丘堆積物はシルト質礫層を主体とし,砂質シルト層,腐植質シルト層を介在する。礫は,結晶片岩および砂岩からなり,わずかながら変質した流紋岩も含まれる。一方、沖積面を構成する沖積層は,シルト質礫層および砂礫層で構成される。