(2)波形処理

処理の概略と諸元は以下のとおりである。

@ 初 期 編 集

a.デ−タ整理… ノイズ除去,不良デ−タの除去,測量デ−タ整理等を行う。

b.CMP編集… 測定を道路沿いおよび障害物を避けて実施したため,CMP(反射中点)は一般に平面上に分布する。重合用測線は,これらのCMPの分布を最適に通る折れ線として設定し,この測線沿いにCMP編集を行った。重合測線位置を図2−5−2に示す。

なお,重合測線はオフセット距離(震源−受震器間距離)が比較的短いものを考慮して決めた。

A 初 期 処 理

波形処理のうち最も重要な処理は,パルスの短縮,短い周期の多重反射の除去,スペクトルの平滑化,等を目的に実施するデコンボリュ−ションである。この処理を良好にするため,次の前処理を実施した。観測原記録の100%断面図を図2−5−16に,また,これらの初期処理後の100%断面図を図2−5−17に示す。

・ プレフィルタリング…再帰型のフィルタ−を用い,位相特性は次に述べるの位相 補償処理で併せてミニマムフェ−ズに直した。

lowcut:18Hz (バタ−ワ−ス特性)

highcut:150Hz(  同 )

・ 位相補償…デコンボリュ−ションが有効に働くためには,トレ−スがミニマムフェ−ズ特性であることが条件の一つである。測定系でもっともこの条件を満たさないものは,探鉱機のフィルタ−の位相特性である。これをミニマム位相特性に戻すフィルタ−を設計し,補償を行った。

・振幅補償…次の2段階に分けて実施した。

a.全トレースよりオフセット距離(震源−受震器間距離)別に振幅の時間減衰特性を統計的に求め,この特性の逆数で振幅補償を行った。

b.次に各トレース別に,ゲ−ト幅300msec で平均振幅の時間変化を求め,振幅補償を行った(AAC)。

B デコンボリュ−ション

自己相関演算のゲ−ト長8000msec,フィルタ−長100msec,ホワイトノイズ3%のタイム・バリアント型ホワイトニング・デコンボリュ−ションを用いた。デコンボリュ−ションテストを図2−5−6図2−5−7に,またデコンボリュ−ション後の100%断面を図2−5−19に示す。