(8)川之江市半田地区

川之江市半田地区(図2−4−3

本地域は,和泉層群を基盤岩とする小起伏山地(北方)と三波川変成岩類を基盤岩とする大起伏山地(南方)からなり,これらの山地に挟まれて沖積低地が西南西−東北東方向に広がる。

沖積低地には,西南西−東北東方向にBランクのリニアメントが判読される。トレンチ候補地点として選定した平山地点では,リニアメントが2条判読され,北側のリニアメントは,南側低下の比高1.0〜2.0mの直線的な逆向き低崖からなり,南側の低崖(北側低下)は,現在,盛土下にある。北側の低崖は沖積低地の延びる方向(西南西−東北東)とほぼ一致しているため,侵食によって形成された可能性があったが,精査後に実施したボーリング調査で基盤岩出現深度に10mの高度差(南側低下)が認められることから,断層運動によって生じた低断層崖であると判断される。

平山の和泉層群からなる小起伏山地上には,径5〜20p(最大径80p)の結晶片岩の亜角礫を主体とする礫層(岡村層相当層)が分布している。三波川変成岩類からなる大起伏山地の山腹や大きな谷の出口には,地すべり地形や沖積錐が発達している。